iPhoneはiOSをアップデートすると必ず快適になるのか?
iMC磐田店ではこれまで、『数年前のiPhoneに最新のiOSを入れることはオススメしない』とお客様にもご案内してきましたが、Appleも最新のiOSを入れることを推奨していますし
『本当によくないの?』
『新しいものを入れれば快適になるんじゃないの?』
と思われるお客様も少なくありません。
そこで!
iMC磐田店では、目で見て分かる方法で検証を行いました。
古いiPhoneに最新のiOSを入れるという事はどういうことか?
見ていきましょう!
処理速度の違いって?
まず最初に、iPhoneには動作の処理の速さを担う”チップ”というものが内臓されています。
アプリを使うとき、文字を入力するとき、処理速度が早ければ早いほど、待つ時間がなくなりサクサクと快適に使うことができます。
この”チップ”は、iPhoneが新しくなる度に性能の良いものが搭載されています。
機種 | 搭載チップ | 処理速度性能 |
iPhone5 | A6 | iPhone4s より 3倍向上 |
iPhone5s | A7 | iPhone5 より 2倍向上 |
iPhone6 | A8 | iPhone5s より 25%向上 |
iPhone6s | A9 | iPhone6 より 70%向上 |
iPhone7 | A10 | iPhone6s より 20%向上 |
なんとなく想像がつくかもしれませんが、数字が大きい程性能の良いチップということになります。
ところが、この”チップ”の性能が良いものが搭載されていればみんな同じ速度でiPhoneが動いているかと言うと…違うんです。
iPhoneでもパソコンでも、購入した当初はサクサク快適に動いていたのに、数年経つとだんだんタイムラグが起こるようになったり、起動やシャットダウンに時間がかかる…という経験はありませんか?
処理速度が購入時から変わっていなくても、iPhoneの内部は使用していく間にどんどん変化していきます。
例えば、色々なアプリをダウンロードしたり、写真を撮影したり、新しいiOSを入れたり……
中身が増えれば増えるほど、消したり追加したりを繰り返せば繰り返すほど、チェックする項目や容量・ゴミが増えていき、同じ速度で処理をしていてもiPhoneの動きは遅くなっていきます。
起動の速さでチェック!
では、ひとつのiPhoneのiOSを変える前と変えた時でどれくらい処理速度が変わるのか!?
一番目で見て分かりやすい
”電源を入れてから起動するまでの速さ”で比較してみようと思います!
まず最初にiOS9.0.2のiPhone5の起動時間を測定しました。
iOS9.0.2では起動するまで35.3秒でした。
そのiPhoneのiOSを現在の最新iOS10.0.2にアップデートし、再度起動時間を計測。
すると…
iOS10.0.2にアップデートすると起動まで41.0秒もかかりました!
iOSを更新しただけでなんと5.7秒も差が出ました。
更に別のiPhone5(iOS8.4)を用意し、
iOS10.0.2のiPhone5と起動までの時間を競ってみました。
結果、
iOS8.4は32.5秒
iOS10.0.2は41.0秒で
ここではなんと8.5秒もの差がありました!
また、iOS9.3.5のiPhone5でも起動時間を計測した結果、41.2秒とiOS10.0.2とほぼ変わらない結果となりました。
iOSの違うiPhone5、4台の起動時間を計測したものを表にしてみました。
※全て一度初期化をしてiOS以外のデータのないiPhone5で計測。
※本体の劣化もある為、若干の個体差は考えられます。
同じiPhone5なのにも関わらず、iOSのバージョンが違うだけで起動時間が大幅に変わる事が分かりました。
また、同じiOS9でも、iOS9の前半のバージョン(iOS9.0.2)よりも、iOS10の直前に配信されたiOS9.3.5の方が負担が大きいという事が分かります。
一番差が大きく分かりやすいため”起動するまでの時間”を対象とした時間を計ってみましたが、その他の
”設定画面を開く” ”カメラアプリを起動する” ”Safariを開く”
などという動作を行ったときでもiOS10の方が一瞬遅れて動くことが分かりました。
データや基本以外のアプリの入っていないiPhoneでこのような結果になったので、”普段通り”に使用しているiPhoneではもう少し処理に時間がかかると思われます。
オマケ
ついでにiOS10.0.1を入れたiPhone6と6sの起動時間も計測してみました!
機種は違いますが面白い結果が見られました。
やはりiPhone6sは一番上の表で見たように、処理速度の早いチップが搭載されているため起動時間もかなり早いです。
この表で見ると、iOS10.0.2を入れたiPhone5とiOS8.4を入れたiPhone5の起動時間の差は、同じ機種にも関わらず
iPhone6とiPhone6sの搭載チップの差ほどの違いがあることになります。
機種に合わないiOSがどれだけ負担になっているかがとてもよく分かる結果となりました。
また、使い込まれた機種や、CGの多い負担の大きなアプリなどがたくさん入っている機種などでは、iOSをアップデートすることで通常の動作にも大きなタイムラグが生じたり、文字を入力するのにもワンテンポ遅れてしまったり、バッテリーの減りが早くなったりという事もあるようです。
iOSを更新して、特別必要な機能などがある場合以外は、iOSは発売時のものから上げすぎないのがやはりiPhoneを快適に使っていくにはベストのようです。